往古来今謂之宙 四方上下謂之宇

往古来今謂之宙 四方上下謂之宇

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往古来今、これを宙と謂う。四方上下、これを宇と謂う。
(出典:『淮南子』 巻十一 斉俗訓)
星空を見上げてふと、そんな話を思い出した。

中学のときに、読書感想文の題材に悩んでいて父親に薦められた『宇宙も終わる - ここまで分かったヒトと宇宙の未来』。宇宙の構造や相対性理論などの話だけでなく、著者が科学に興味を持ったきっかけや、「科学的」とはどういうことかという話が、丁寧に書かれていて面白かった。

そして、宇宙を論じる上で欠かせない相対論。ここでは『E=mc2 - 世界一有名な方程式の「伝記」』を紹介するが、本書は相対性理論の話でもアインシュタインの話でもない。あくまでも数学のお話。(高校までの「物理」は大学では「数学」)。

さて、宇宙「開発」の物語としては、米HBOのミニシリーズドラマ「FROM THE EARTH TO THE MOON」が傑作であり筆者のお気に入りである。特に、13号の回は(映画「アポロ13」との差別化の意図があったのだろうが)、メディアに追われるクルーの家族や、対応に苦慮するサブクルーとスタッフが中心に描かれるなど、興味深く、考えさせられるシナリオだった。原作の和訳版は『人類、月に立つ』

また、このドラマのオープニングに使われていたことで、John F. Kennedy のこのスピーチに出会った。次の一節は一番のお気に入り。
We choose to go to the moon (中略), not because they are easy, but because they are hard.
(参照:http://en.wikisource.org/wiki/We_choose_to_go_to_the_moon )
YouTubeでも見られる。(上記引用部は 8'40''~)

そして、華々しい宇宙飛行士の物語の陰に埋もれてしまいがちな、研究者・技術者の話を読みたければ、『NASAを築いた人と技術 - 巨大システム開発の技術文化』。宇宙開発の技術がどのように進められ、また、そのための機関がどのように組織されてきたのかを垣間見る一冊。

最後に、ちょっとした宇宙旅行を紹介。





正直なところ、宇宙にあこがれる時代はもう終わったのかもしれない。だけど、当時の想いを忘れる必要は無い。